強引なカレの甘い束縛
姉さんの言葉を否定しながらも、陽太と気持ちを伝え合った今、強く言い切ることもできず次第に声も小さくなっていく。
好きだと告げて好きだと告げられて、陽太の懐に私の存在があると知って。
これまで軽く流せていたものも簡単には流せなくなった。
姉さんに陽太のことでからかわれるのはいつものことなのに、どうしても照れる気持ちが先に立つ。
直接顔を合わせているわけでもなく、電話越しだというのに私の変化は筒抜けらしい。
会社でも周囲から生ぬるい目で見守られ、姉さんにもあっという間に見抜かれている。なんだか陽太との関係を外堀から埋められていくようで、くすぐったい。
それと同時に、姉さんが自分の足を〝弱点″だと口にした。
さらりと言ったけれど、その言葉は重く、それは私のせいだと改めて思い出して、胸が痛い。
「唯香って、本当に七瀬の赤ちゃんの頃にそっくりなのよね。ぐずぐず泣くことも少ないっていうのもそうだし」
「そうなんだ……」
「だけど、唯香に手がかかるのも確かだから、陽太君が来てくれて助かったわ」
忍さんの代わりに、あえて陽太は運動会に来てくれたのかもしれないな。
姉さんの足では、たとえ幼稚園の運動会でも走るのは大変だと気遣ってくれたにちがいない。