強引なカレの甘い束縛


週末、私は早朝から迎えに来た陽太に無理矢理連れ出された。

「なんでこんな朝早くから出かけるかなあ。もう少しゆっくり寝たかったのに」

ぶつぶつ言っている私を横目に、陽太の足取りは軽く、私を引っ張るように歩いている。

電車に乗り込み、ふと時計を見ればまだ六時。

平日よりも早いとわかり、目蓋が落ちそうになる。

「着いたら、並ぶ前に手早くモーニングを食べさせてやるからそれまで我慢しろよ。『ルイルイ』のななめ向かいにはたまごサンドで有名な店があるだろ? そこでゆっくりさせてやるからもうひと頑張りしてくれ」

「たまごサンドだったら、私が作ってあげるのに。まあ、たしかにあのお店のたまごサンドは絶品だけど、何もこんな朝早くから行かなくてもいいのに」

平日と違い、空いている車内でふたり並んで座る。

私の自宅の最寄り駅から六駅先にある『ルイルイ』のお店は誰もが知る有名店だけど、今陽太が口にしたカフェも、密かに有名なのだ。

もともとは『ルイルイ』のフルーツタルトが欲しくてやって来たお客さんが整理券をもらったあと開店までの時間を潰すために立ち寄り、モーニングを食べるということで有名になったお店だ。




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