強引なカレの甘い束縛
美味しいメニューはいくつかあるけれど、とくに有名なのがたまごサンドだ。
表面をカリカリに焼いた四枚切りの食パンで甘い卵焼きをはさんだだけのものだけど、卵焼きの表面のソースがいい仕事をしていてとてもおいしい。
口を大きく開けなければ食べられないほどの厚みで、それだけ食べればお腹一杯になっしまう。
『ルイルイ』を目当てに来ていたお客さんたちはたまごサンドを食べる楽しみをも含めて整理券を求めて列に並ぶ。
整理券を手にしたあとにはたまごサンドというのが定番の流れ。
私にその経験はないけれど、陽太は何度かあるらしく、今も腕時計を見ながら時間を気にしている。
「整理券は八時から配布だから、まあ、ぎりぎり間に合うか。土日は限定三十食だから、大丈夫だろう」
「こないだフルーツタルトのためにふたりで朝早くから並んだのに、また食べたくなったの? 陽太ってそんなに甘いものが好きだった?」
「甘いものはそれなりに食べるけど、七瀬のためでなければ朝早くから並ぶかよ。それに、一緒に並ぶから楽しめるんだろ」
陽太の言葉に、私はしばらく黙りこんだ。
ここまで素直な想いを口にして照れないのだろうかとちらりと視線を向けても、とくに動じることのない陽太。
隣りあって座り、気づけば私の手は陽太に握られている。