強引なカレの甘い束縛


そういえば私の家まで迎えに来てくれたあとからずっと、駅までの道のりも手をつないでいた。

さすがにそれに気づかないわけではなかったけれど、眠い目で引っ張られるように歩いていた私は、深く考えることもなかった。

というより、陽太のことが好きだと伝えて以来、これまでよりもふたりの距離が自然に縮まっている。

会社での関係はそれほど変わっていないにしても、会社以外でふたりで会う時間は格段に増えたし、ふたり並んで歩くときには手をつなぐことも増えた。

とても仲がいい恋人未満の友達と、両想いの恋人とでは、感じる幸せも全く違う。

もちろん、両想いになれた今の方がいい。

なんの遠慮もなく、誰に気を遣うわけでもなく隣に立つことができ、当然のように手をつなげるなんて、思っていた以上の幸せだ。

入社以来、ううん、子どもの頃からずっと、なんの浮き沈みもない穏やかな日々を求めるように生きてきた。

私の置かれていた状況を考えればそれは当然だろうし、この先も毎日変化のない生活を送ることが幸せだと思っていた。

けれど、つかず離れずの状態で過ごすのは五年が限度だったのか、陽太は私を違う場所へと連れ出そうとしている。

大原部長宅のバーベキューでは自分の人生に私を巻き込もうと画策し、私との関係を根本から変えようとしている。




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