強引なカレの甘い束縛


忙しい仕事を終えたあと、それまでの真面目できりりとした顔つきを一気に崩しては私の隣りで力が抜けた表情を見せている。

残業のない日は滅多にないけれど、それでも就業時間を終えたあとは軽やかな足取りで「休憩だ、コーヒー飲みに行こう」と誘いにくる。

陽太の気持ちは以前から部署内には知られていて、まあ、私の気持ちもそれなりにばれていたようだけど。

そのせいか、周囲からの温かくもくすくすと笑い声が含まれた視線に耐えながら休憩コーナーへと向かう。

これまでにはなかった終業後の過ごし方。

それすらも、私には大きな変化であり、容易く受け入れている自分に驚きと安堵を感じている。

こうして順調に、あらゆる変化を自分自身は受け入れられるのかもしれない。

変化への不安に悩む暇もなく、陽太から聞かされる甘すぎる言葉と態度に右往左往しているような気もするし。

最近の私は、以前よりもかなり身軽で、休日までも陽太に連れ出されているほどだ。

夕べ遅くに「明日、『ルイルイ』でシュークリーム買うから、一緒に並ぶぞ。迎えに行くから今日は早く寝ろ」と電話があり、反論することもシュークリームがそんなに好きなのかと問う間もなく切られた。

きっと、私に断るタイミングを与えないようあっという間に切ったんだろうけど。

陽太から誘われて、私が断るわけはないのに。





< 180 / 376 >

この作品をシェア

pagetop