強引なカレの甘い束縛


あっという間に私の体は陽太に密着。

「別に人前でキスするわけでもないし、肩を貸すくらい誰もなんとも思わない」

「そ、そんなのするわけないし」

「まあな。人に見せるなんてもったいないからふたりきりのときにしかするつもりもないけど」

「ん……?」

力強いその言葉は論点がずれているのに、陽太はひとり納得して頷いている。

そうか、人前ではキスしないんだ、ふたりきりの時だけか。

私の眠気は次第に強くなり、目の前にある陽太の唇を見ながら、次にキスしてくれるのはいつかなと思いながら、体を陽太に寄せて目を閉じた。

眠りに落ちる寸前、陽太が「ふう」と息をつき、その体から力が抜けたようだった。


***


電車でしばらく眠ったおかげで、『ルイルイ』のお店の前で並ぶ私の体は軽かった。

お店についたときにはすでに十人ほどが列を作っていて、私と陽太がそこに並んだあとにもすぐ、数人が続いた。

その後陽太とふたり話をしながら八時を待ち、無事にシュークリームの整理券を手にした。

シュークリームを買えるのは十時の開店以降で、それまでたまごサンドが有名なカフェへ。

シュークリームも好きだけど、今日買うつもりのそれは私の口に入るわけではなく、陽太の手土産として用意するものだ。




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