強引なカレの甘い束縛

「陽太、お前は当分異動の心配はないだろう? わざわざ来るなんて、よっぽど萩尾さんのことが心配なのか?」

「当然。ここまで鈍いんだから強行突破することにした」

「おー、とうとう決めたのか。遅すぎるにしても、まあ、頑張れ」

「……幸せいっぱいのお前に言われたくない」

「せいぜいうらやましがれ」

大きく笑った篠山君の言葉に、陽太は小さく舌打ちをした。

同期の篠山君は最近結婚を決めたばかりで、幸せのバーゲンセールとばかりにそのうれしさを隠そうとしていない。

お相手は大学時代からの恋人らしいけれど、篠山君の隣で顔を赤くしている彼女がそうだろう。

どう見ても綺麗な女性だ。

すらりと伸びた手足。百六十センチは優に超えた身長を生かした綺麗な立ち姿。

百五十五センチを少し超えた程度の身長の私にはうらやましいとしかいいようがない。

その姿に見惚れつつも、篠山君と陽太の会話が気になる。

私のことが心配だと言っていたけれど、私の何が心配なのか、まったくわからない。



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