強引なカレの甘い束縛
「篠山君? 私の何が心配なの?」
「んー。俺から言ってもいいんだけど、とりあえず陽太の口から聞いたほうがいいぞ。陽太もとうとうしびれを切らしたみたいだからな」
「は? 陽太がとうとうって?」
篠山君の言葉はさらに私を混乱させる。
同期として五年間それなりに仲良く付き合ってきたけれど、理解不能だ。
いつも飄々としている篠山君のことは未だによくわからない。
それに、わからないと言えば陽太のことも同様にわからない。
ここに来てからの薫さんとの会話もわからないし、ふたりでここに来るまでの車の中での会話も訳がわからない。
「陽太? 私の何が心配なの?」
私の隣で面倒くさそうな顔で立っている陽太に聞くと。
「そういう鈍いところ」
私の頭をわしゃわしゃと撫で、苦笑しながらそう言った。
「に、鈍いって私が?」
「そう。七瀬の鈍さは国宝級」
「なんでよっ」
私をからかう陽太にむかついた私は、握りこぶしを作って陽太のお腹に一発お見舞い。
それほど力を入れていないせいか、陽太はとくに痛がる様子もなく私の手を掴んだ。