強引なカレの甘い束縛
「輝さんは、大人だからね。客商売だから愛想もいいし」
「悪かったな、俺は大人じゃなくて」
「あ、違うって。……ううん、たしかに大人だけど、仕方ないでしょ、陽太よりも年上だし、大切な史郁ちゃんを愛しげに見つめる瞳なんてのを見たら、女の子なら誰でもきゅんとするって」
「七瀬もきゅんとしたってこと?」
「そりゃ、もちろん。きゅんきゅんしたし、スマホで撮りたかったくらい」
「……あ、そ」
「あ……」
しまった。
ここはこれ以上陽太の機嫌を損ねないように発言には注意しなくちゃいけなかったのに。
輝さんの史郁さんに対する甘々全開オーラに私の思考回路は攻撃されたようで、ついつい口を滑らせてしまった。
けれど、今こうして陽太の機嫌が悪いのは私が輝さんを誉めたからで、それは確実に輝さんに妬いたってことだ。
それはつまり、それだけ私のことを気にしているということで、私を好きだと言う気持ちゆえのこと。
思わず緩む口もとを隠すように引き締めながら、つないでいた手をすっとほどき、そのまま腕をからませた。
陽太の二の腕にしがみつくように歩くと、一瞬抵抗を見せた陽太も、すぐにそれに応えてくれた。
私が掴みやすいように腕から力を抜き、私の好きにさせてくれる。