強引なカレの甘い束縛
「まあ、ここに七瀬を連れてきた目的は果たせたし、よしとするか」
「え? 何よ一体」
「いや、そのうちにわかるから焦るな」
陽太はそう言って、あっさりと私の手を離した。
「あ……」
その瞬間寂しさを感じ、その意味に否応なく気づかされる。
自由になった手を見ながらうつむいていると。
「えっと、とりあえず挨拶だけでもしておくか」
陽太の手が再び私に向かって伸び、するりと腰に回された。
そして、押し出されるようにみんなの元へと歩き出す。
その自然な流れに一瞬だけ抵抗してみたけれど、背中に広がる温かさに体全体が喜び、その抵抗はあっという間に消えてしまう。
ちゃんと歩いているはずなのに、陽太との近すぎる距離に心はばくばく跳ねて足元も浮いているようだ。ちらりと陽太を見れば。
「結構集まってるんだな。やっぱひとりごとの威力か……」
私との距離感なんてまったく意識していないかのような普通過ぎる横顔。
すると、その場にいた人たちから向けられたのは、興味津々、加えて驚き。
複雑な表情を浮かべながらも、私と陽太を受け入れてくれる雰囲気の輪の中に近づくと、その輪の中にいるひとりの顔を見て驚いた。