強引なカレの甘い束縛
「七瀬」
パソコンの画面を操作し、たくさんの指輪を見ていると、陽太の低い声が響いた。
その声に体が震えた。
「俺の方が七瀬を好きだってことはわかってるから、もう強引に押せ押せでいくって決めた。指輪くらいで驚いてたらこの先ついてこれないぞ」
「は? 押せ押せ?」
「ああ。七瀬が抱えてる過去も、今悩んでるあれこれも。それもすべて俺が受け止めて後悔なんてさせない。だから、俺からの指輪をはめて、きれいでかわいい奥さんになってくれ」
そう言って、ぐっと引き締まった唇。
私の肩に置かれた、小刻みに震える手。
瞬きを忘れたように、私をただ見つめる瞳。
陽太が緊張しているとわかるそのどれもが私の心を深く揺らし、陽太のことしか考えられなくなった。
指輪、それも婚約指輪や結婚指輪という響きが私の頭を何度も繰り返されて、私も陽太をじっと見つめ返した。
その頬はほんのり赤く、緊張だけではない感情が見える。
「……照れてる?」
ふと口を突いて出た私の言葉に、陽太は一瞬動揺を見せた。
普段仕事では飄々と自分のペースを崩さないのに、婚約指輪なんてやっぱり、陽太も緊張している。
そう思えば、落ち着きなく跳ねている私の鼓動が、ほんの少し穏やかになったような気がした。