強引なカレの甘い束縛


「そんな大きな目をして驚くなよ。可愛すぎるだろ。んー、俺が大学時代の彼女と別れてすぐくらい。だから、同期をはじめ、社内の男は七瀬に手を出そうとしなかったってわけ。俺があらゆる手段で牽制して、そしてようやく大原部長のバーベキューだ。もう、長かった長かった。俺の頑張りを誉めてほしいよ」

「え、それは、もちろん、誉めてあげるけど……」

そう言った途端、「じゃ、早速」と言った陽太に頭を目の前に差し出され、無意識にそれを撫でてあげた。

陽太の柔らかな髪を梳いた私の指から、愛しさがこみあげてくる。

私に頭を差し出す陽太の無防備な姿に、独占欲が湧いて仕方がない。

陽太が会社の女性たちの間で優良物件だと思われ、注目を浴びていることを思い出せば、いら立ちにも似た面倒な感情も浮かぶ。

誰にも、陽太を渡したくない、隣にいるのは私だけがいい。

これまで感じなかった想いを実感して、陽太を撫でる手に力が入ってしまった。

そして、このままずっとこうしていられたらと、胸の中が熱くなる。

すると、頭を撫で続ける私の手を、陽太の手が優しくつかんだ。

「七瀬の過去に何があっても、もちろんこれからどんなことがあっても、こうして俺は七瀬の思うがままだ。そして、この手を俺は離さない。だから、安心してなんでも話せよ。結婚するなら、隠し事はなしだ。まあ、俺にサプライズは無理だって今回の指輪のことで実感したし、残念だけど、今後そういう期待はしないでくれ」

ははっと笑い、陽太は額を私の額に合わせた。


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