強引なカレの甘い束縛


陽太の胸に頭を乗せると、くっくと笑う陽太の声が響いた。

「だけど、一式百万は現実離れしてるよな。それを当然と思ってなきゃこうしてマンションを用意してまで嫁の妹を住まわせてくれることもないだろうし」

「現実離れか、まさにその通りだね」

そして、陽太の体にさらに自分の体を寄せて、密着させる。

「どうした?」

自分から体を寄せるなんて、普段の私なら滅多にしない様子に、陽太は訝しげな声をあげた。

「あの時、大学時代に、こうして陽太がそばにいてくれたら良かったのに」

「……ん? どうしたんだよ。甘える七瀬も可愛いし、いつでも大歓迎だけど」

私の背中をするりと撫でてくれる指先を感じて、私はそっと目を閉じた。

顔を陽太の胸に埋めると、私がお気に入りのボディソープの香りを感じて安心する。

長い付き合いの中で、一緒にいることには慣れていたけれど、その先へと進むタイミングをようやく見つけられたのかもしれない。

シャワーを浴びて、寄り添って、これから始まる恋人としての熱い時間に、緊張と期待と。

そして喜びが体に満ちる。

陽太に抱き締められていると、陽太の望むことなら何でも応えられそうだと思える一方で、やっぱり不安はあるけれど。

それでももう、陽太と肌を合わせ、恋人としての実感が欲しい自分をごまかせない。

陽太の全てが欲しくてたまらない。

かなり親密に寄り添っているというのに、私はもぞもぞと体を動かして、さらにふたりの間のすき間を埋めた。




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