強引なカレの甘い束縛
子どもの頃から転々とした各地の景色や人々の素顔を絵にしていた両親の目。
絵の向こう側から、温かな目が私をも見つめてくれているような錯覚を覚えた。
「父さんと母さんが私を見るとき、いつも笑ってた。私のことが大好きだって、いつもあの目が教えてくれていたのに……。絵を描くことを最優先に生きていたし、世間離れした価値観は、なによりもまずは絵を描くことにつながっていて。それが、あの頃の私には理解できなくて寂しくて、だから父さんと母さんと一緒に暮らすことがつらかった」
「ああ、そうだな。つらかったな。俺がそばにいてやりたかったよ」
陽太は、敢えて、だろうけれど。
単調な口調でそう言うと、私の体に体重をかけないよう気を付けながらくるりと体を反転させた。
あっという間に私の体はソファに仰向きになった陽太の胸の上に抱えられている。
驚く私の頭を撫でながら、陽太は私の額にキスを落とした。
陽太の鎖骨のあたりに顔を乗せ、しばらくの間、私はじっと陽太の体温を感じていた。
すると、これから話さなければならない過去と向き合う強さがほんの少し芽生えたような気がする。
とくとくと感じる陽太の鼓動も私を後押ししてくれるようだ。
私は陽太の胸に手を置いて、ぽつぽつと、話を続けた。