強引なカレの甘い束縛
「睨んだって、七瀬が喜んでるのはすぐにわかるから。本当に長い間、俺は七瀬を愛してるんだ。もう、どうしようもないくらいに」
「だ、だから、そ、そんな言葉を簡単に……」
「簡単じゃない。もう、四年以上、七瀬への気持ちを隠してたんだ。それだけでなく、ほかのオトコに掻っ攫われないように、牽制しながらだ。そんな苦しい想いはもう、これ以上は無理だ。限界。我慢せずにひたすら七瀬を愛して抱きしめて……独り占めするから」
「ちょ、ちょっと陽太っ」
「うるさい、しばらくじっとしてろ」
陽太は大声でそう言ったあと、私を力強く抱きしめる。
蕩ける言葉と熱い体に包まれて、私は必死でもがくけれど、結局はそれがうれしくて、陽太のおもうがままに体は抱き上げられた。
逆らう気持ちも余裕もないままで、私も陽太に体を預ける。
「七瀬が好きで好きでたまらないお姉さんの気持ち以上に、俺が七瀬を大切に愛するなら、七瀬を任せてもいいって、忍さんが言ってくれたんだ」
「はあ?」
「お姉さんを愛している忍さんにとっては、七瀬も大切な妹なんだ。その大切な妹を守る権利を、俺に分けてやるってさ」
何がうれしいのか、陽太はそう言って笑う。
要するに、忍さんと陽太は、私が思っている以上に通じているということなのだろうか。
たしかに、ふたりで連絡を取り合って飲みに行く機会が多いとは聞いていたけれど、まさか私の生い立ちまで話していたなんて、想像もしていなかった。
せいぜい、仕事の愚痴や、ふたりの共通の趣味である映画について熱く語っている程度かと思っていたのに。