強引なカレの甘い束縛


けれど、ふたり目の子どもの私への興味はかなり薄れ、仕方なく姉さんが私の面倒をみてくれていた。

転校が多く不安定だった私の感情を優しくいたわり、見守ってくれた。

そして、私のお弁当を作り、懇談会や参観日にも顔を出してくれ、不在がちな両親に変わって私を育ててくれた。

ありがたいことに、両親の仕事は順調で、描く絵はすべて高値で買われたという。

仕事に打ち込む、というよりのめり込むことでしか生きられないような両親を早々に諦めた姉さんは、それこそ必死で私の面倒をみてくれた。

けれど、就職すると同時に家を離れたのには、自分の人生を自分のために使いたい思いが強くなったからだろう。

そのとき、すでに私は高校生で、自分で自分の面倒は見られると判断したのか、家を出た姉さん。

私のことを気にしながらも、自由きままな両親と、手のかかる妹から離れることができてホッとしたに違いない。

私には生まれたときから姉さんという頼りになる存在があったけれど、姉さんにそんな人はいなかった。

各地を転々とする中で、心の内をさらけ出せる人間関係を築くことは難しいし、姉だ問い責任感を背負い、いつも気持ちを張りつめていたはず。

物心ついたときからそんな姉さんの苦労を見てきた私には、就職を理由に家を出るという姉さんをとめることはできなかった。

たしかに離れて暮らすことに不安はあったけれど、私を最優先に考えるせいか恋人とも長続きできない姉さんの人生を修正するいいタイミングだとも思った。

だから、私は姉さんが家を出ることを後押し、両親に振り回され私の世話に時間を割いてくれた姉さんの未来を応援した。



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