強引なカレの甘い束縛


「わかってるけど、やっぱりどきどきする」

陽太のご両親に挨拶したときよりも気が重い。

「大丈夫だよ。お姉さんは俺が七瀬に惚れてるって、七瀬が気づくかなり前から知ってるから。俺にだったら七瀬を預けてもいいって、全権委譲。心配するな」

「全権委譲って、いつの間に……」

胸を張って明るく笑う陽太に、苦笑した。

姉さんと仲がいいのは知ってるけれど、どこまで姉さんや音羽家に気に入られてるんだろう。

忍さんに限って言えば、私よりも仲がいい。

ふたりで連絡を取り合って飲みに行くことも多いしメールのやりとりも頻繁にあるというし。

「あ、そういえば」

ふと、よくわからないタイトルのメールが陽太に届いていたことを思い出した。

「間取りやらなにやらってタイトルのメールが忍さんから届いてたでしょ? あれってなんのこと?」

軽い口調で聞けば、ビールを飲んでいた陽太はむせながら

「え、ま、間取り?」

明らかに焦っている。



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