強引なカレの甘い束縛
「萩尾さんはアルコールが苦手な体質だったわよね。じゃ、この特製ミックスジュースを一緒に飲もうね。私の大好物で、弟がよく作ってくれるのよ。ちゃんと冷やしてあるから後で乾杯ね」
ガラス瓶に詰められた薄いオレンジ色のミックスジュースを指差して優しく笑う砂川さんに、今回も気持ちは揺れる。
もしかしたら、アルコールが苦手な私がここに来ることを知って、用意してくれたのかもしれない。
砂川さんと親しく言葉を交わしたことなんて数えるほどなのに。
やっぱり、素敵な人だ。
「陽太くんの運転手としてここに連れてこられたんでしょ? でもね、ここに来たからにはがらりと立ち位置が変わるから、少々どころじゃない覚悟をしておいたほうがいいからねー」
「砂川さんっ。まだ、ちゃんと言ってないんで、もう少し待ってください」
砂川さんの言葉に、陽太は慌てた声をあげる。
「相変わらず仕事以外のことはぐずぐずしてるのね。まあ、ここに連れてくる勇気を出しただけでも陽太くんには相当のものだもんね。せいぜい頑張ってね」
砂川さんのからかい気味の声に、陽太は口元を引き締めた。