強引なカレの甘い束縛
その姉さんの複雑な心境をも受け入れ包み込んでいる忍さんのことだから、私の変化が姉さんを不安にさせるのではないかと危惧したんだろう。
「輝さん手作りの雑炊をふたりで食べたときから、俺は七瀬に惹かれていたんだ。ほんと、俺って気が長いっていうか、一途っていうか。俺にこんなに愛されて、七瀬って幸せ者だな」
カウンターの上にある私の手をぎゅっと握り、陽太は照れくさそうに笑った。
陽太がそんな前から私のことを想っていたと知って、驚いた。
いつも近くにいたけれど、とくにそんな素振りは見せなかったのに。
それに、私だって、陽太のことをずっと好きだったのに。
「もっと早く言ってほしかった」
思わず口を衝いて出た言葉に、切なくなる。
この四年、片想いの切なさに苦しんでいた私、そして陽太。
もっと、一緒にいたかったな、と唇をかみしめた。
すると、陽太は私の頭を優しく撫でてくれた。
「早く言いたかったけどさ、七瀬は今の仕事を一生続けて、今の家にずっと住んで、変化のない毎日を過ごすって決めてたから、その気持ちを崩すのにここまでかかったんだぞ。まあ、忍さんに止められたってのが大きいけど。ようやく、ようやくだ」
「ようやく? って、何が?」
感慨深い陽太の言葉をいぶかしく感じて、視線を向けた。
私の頭に置いていないもう一方の手は握りこぶし。
ぐっと引き締まった口元からはなにやら決意じみたものが見え隠れ。