強引なカレの甘い束縛
「あ……、ちょっと待って。なんだろ」
陽太に握られたままだった手をそっと外し、スマホを手に取った。
「もしもし、忍さん? どうしたの?」
『七瀬ちゃん、今、穂香が怪我をして病院に運んだんだけど、念のためにひと晩入院することになったんだ』
「え……、怪我? 入院?」
『あ、そんなに深刻な声を出すほどじゃないから安心して。補助なし自転車に乗る練習をしていた公香を追いかけてるときに、転んで頭を打ったんだ。脳震盪をおこしたけど検査では異常なし。だけど、念のために一泊だけ入院させることにしたんだ』
「あ、あの、意識はあるんですか?」
『大丈夫大丈夫。ちゃんと意識はあるけど、頭を打ってるから安静にしておいたほうがいいって言われて、嫌がる穂香を説得して入院させるんだ。家に帰れば公香と唯香に手がかかるからね。今日は母さんが来てふたりの面倒をみてくれるんだけど』
慌てる私を落ち着かせるように、忍さんはゆっくり話してくれる。
姉さんがそれほど深刻な怪我をしていないと聞いてホッとしたけれど、忍さんの困ったような声が気になった。