強引なカレの甘い束縛


「起きてテレビを観るくらい元気。とはいっても、やっぱり頭は少し痛いんだけどね。気分は悪くないし、食欲もあるから、心配しなくても大丈夫だよ」

姉さんの明るい声に安心して、ふっと息を吐き出した。

「じゃあ、予定どおり退院できるの?」

「うん。さっき念のためにもう一度検査を受けたんだけど、異常なしだったから、とっくに着替えてるのよ」

ふふふっと笑う姉さんを見れば、淡いピンクのブラウスと、白いフレアスカートを着ていた。

夕べ、忍さんが家から持ってきてくれたらしい。

「退院の手続きは日下さんがしてくれるから、あとは荷物をまとめて帰るだけ。わざわざ七瀬に会社を休んでもらうほどでもないんだけど。ごめんね」

「ううん、仕事より姉さんの方が心配だから」

「ありがとう。だけど、ほんとに大丈夫なのよ。走ってるときに足がもつれて転んじゃっただけで、忍がおおげさなのよ」

肩をすくめた姉さんは、ベッドから降りると、ロッカーから鞄を取り出して荷物を詰め始めた。

「あ、私がするから姉さんはじっとしててよ。今日も安静にしておいたほうがいいよ」

私は慌てて姉さんの手から鞄を取りあげ、ロッカーに少しある荷物を詰めていく。

「大丈夫なのに、ほんとにみんなおおげさなんだから」

ぶつぶつ言いながらも、姉さんは諦めたのかその場を離れ、冷蔵庫からペットボトルのお茶を出してくれた。



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