強引なカレの甘い束縛


「ねえ、七瀬ちゃん。晩御飯は陽太君も一緒なんでしょ?」

「え? 陽太?」

「うん。パパが言ってたよ。陽太君が大切なお話をするんだって」

「あ……」

手にしていたスプーンから、ぽろり、オムライスが落ちた。

「ななちゃん、上手に食べてね」

「あ、うん、ごめんごめん」

落ちたオムライスを慌てて食べて、公香に笑ってみせると、「陽太君、いっしょにあそんでくれるかな。ひつじさんのゲームがしたいんだけどな」

ただでさえ大きな目をさらに大きく開いて体を揺らした。

〝ひつじさんのゲーム〟それは、陽太のタブレットに仕込んである公香と仲良くなるためのゲームのひとつだ。

公香を可愛がっている陽太が、たくさんのボードゲームや着せ替え人形を公香にプレゼントし、それで一緒にあそぶことも多いけれど、最近はその〝ひつじさんのゲーム〟で遊ぶことが多い。

陽太が来ると知って、今から楽しみにしているようだ。

「陽太は公香が大好きだから、いっしょにひつじさんしてくれるよ」

「うん、公香も陽太君が大好き。幼稚園のしんご君よりも格好いいし優しいもん。だけど、陽太君は公香よりもななちゃんの方が好きだからごめんねって言ってた」

「……は?」

オムライスを食べ終わった公香が、ジュースをごくごく飲んで、ぷはーとひと息ついた。

小さな手で抱えるコップがやたら大きく見えて、かわいくてたまらない。



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