強引なカレの甘い束縛
世間一般の常識にあてはまらない両親のもとに生まれたのは私だけでなく、姉さんだって同じなのに、姉さんは自分のことだけでなく私の面倒をみてくれた。
どれだけ感謝してもしきれないほどの感謝をしているけれど。
「七瀬が大好きなゼリー、まだまだたくさんあるから、持って帰ってね。昔から、忙しいと食事もとらずに没頭しちゃうから、そんな時にはゼリーやアイスが主食になってたもんね。私がご飯を毎日作りに行ってあげるのに、それはやだって言うし……。せめて、果物くらい食べなさいよ」
姉さんの心配する声に、私は目を伏せた。
私を目の前にすると、スイッチが入ったように私を心配する言葉を並べる姉さん。
怪我をして退院したばかりだというのに、自分のことよりも私のことが気になって仕方がないのだろう。
私はもう、ちゃんとした大人だというのに、姉さんから見れば私も公香も変わらないのかもしれない。
「料理なら、ちゃんとしてるから大丈夫。忙しいときのためにハンバーグとかひじきとか、ちゃんと冷凍してストックしてるし」
「ホント? 明日にでもたくさんストックを作って七瀬の部屋に持っていこうか?」
「ううん、大丈夫。たくさん作ってるし……陽太が食べにくることも多いから、ちゃんと栄養も考えて食べてる」
姉さんの好意を拒むことに胸は痛むけれど、仕方がない。
私は地上に降りると決めているから。
「そう……」
姉さんはひとこと口にして小さく息を吐き出した。
悲しげな声が耳に入り、自分の決断に後戻りしそうになる。