強引なカレの甘い束縛
陽太と公香がいつ公園に散歩に行ったのか、はっきりとわからないけど、唯香が生まれて以来、姉さんは唯香にかかりきりで、普段から聞き分けのいい公香のことは後回しになっている。
仕方がないことだとはいっても、公香をかわいそうだと思った陽太が連れ出してくれたんだろう。
公香だってまだ五歳の甘えたい年頃だ。
我慢ばかりしている公香に気づいてふたりの内緒なんてわくわくするような言葉もかけつつ。
公香の寂しさを紛らわせてくれたにちがいない。
「じゃあ、公園で陽太が来るのを待とうか」
公香の前に腰を下ろして目線を合わせ、そう言えば、公香は嬉しそうに目をキラキラ輝かせた。
「やったー。公香、陽太君とすべり台もしたい」
私の手をひっぱりながら玄関へ向かう公香は、姉さんを振り返ると。
「お母さん、行ってきます」
大きな声をあげた。
「ちょっと、公香。公園ならあとでゆっくり……」
姉さんは慌てて駆け寄ってきた。
「ねえ公香、唯香がお昼寝したら母さんも一緒に行ってあげるから待ちなさい」
「えー」
「それに、陽太君が何時に来るのかわからないでしょ?」
「でも、早く行って公園ですべり台で遊びたい」
「だからあとでお母さんも一緒に行ってあげるから」
「……でも」
公香は私の手をさらに強い力でぎゅっと握り、うつむいた。