強引なカレの甘い束縛


幼稚園でのいじめがどの程度なのかはわからないけど、めぐちゃんというお友達は、お母さんと一緒になわとびの練習をしたんだろう。

公香にもお母さんと練習したらいいと言ったのは、公香を想っての言葉だったのかもしれない。

だけど、公香はお母さんの忙しさを気にして何も言えなかったんだろう。

公香が言うように、時々、姉さんが我が家に来て掃除をしたり、保存食を作って冷蔵庫に入れてくれたりしている。

私が望んだことではないとはいえ、どうしても姉さんに遠慮してしまうせいか、断るでもなく姉さんの思うようにしてもらっている。

だけど、その時間は公香にとっては自分のことを放りっぱなしにされている寂しい時間なんだろう。

本当は姉さんになわとびの練習に付き合ってもらいたかったはずなのに、それを言いたくても姉さんはいつも忙しい。

「ごめんね、公香。ななちゃんの家にもうこなくていいよってお母さんに言っておくし、公香はお母さんと一緒になわとびでも塗り絵でも、一緒に楽しいことをしてちょうだい」

私は公香の頭をゆっくり撫でながら、そう言った。

姉さんが私の世話をする義務はないのだから。もう、私のことを気にかけて、大切な家族との時間を犠牲にする必要はないのだ。

「ななちゃんはもう大人だから、ひとりでも大丈夫。これからは、お母さんになんでも話そうね」

「……でも」

私の言葉に納得できないのか、公香は相変わらず寂しげな表情を浮かべている。

そして、私と姉さんの顔を期待するように順に見る。

すると、姉さんがふうっと大きな息を吐き出した。



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