強引なカレの甘い束縛
その想いを姉さんも察しているはずで、公香の手をぎゅっと握りしめている。
「ねえ公香、あとでおうちに帰ったらお母さんになわとびしているところを見せてね」
「……うん、じゃあ、今日は十一回跳べるように頑張るよ」
姉さんの優しい言葉に、公香はそれまでの落ち込んだ表情を消し、かわりに明るい表情を見せた。
おまけに返事をすると同時に何度かぴょんぴょん飛び上がった。
姉さんの気持ちが変わることはないと諦めたのかもしれない。
そのとき、公香の頭から再びカチューシャがするりと落ち、公香の足元で転がった。
「あーあ、また落ちちゃったね」
私は公香の足元に落ちたカチューシャを拾い上げ、公香の頭に戻してあげた。
「公香は頭が小さいから、このカチューシャは大きいね」
肩の上で切りそろえられた綺麗な髪とピンクのカチューシャ。
頭が小さな公香にはまだ早いかもしれないなと思っていると、公香は頭のカチューシャを手で整えて、私に「かわいい?」と言いながら顔をあげた。
「すごくかわいい。だけど、いつ陽太に買ってもらったの?」
「うーん、前の前の前の……ピアノのおけいこのあと。おばあちゃんと帰ってきて、そのまま公園で縄跳びの練習をしてたら陽太君とお父さんが一緒に帰ってきたの」
再び三人で手をつなぎ、公園に向かってゆっくり歩く。
「お父さんはおうちに帰って、陽太君は公香と一緒に縄跳びの練習をしたの」
公香は思いだすようにつぶやいた。
「え? 忍さんと陽太が?」
私は公香の言葉に驚いた。確かにあのふたりは仲がいいけど、いつのことだろう。
そんなこと、聞いてないんだけどな。
姉さんの家に行くのなら私を誘ってくれてもいいのに。
すると、姉さんが思いだしたように声をあげた。