強引なカレの甘い束縛
「……きらきら光ってるね」
「そうだな」
七瀬とふたり、風に吹かれ、窓を横切る桜を見ながらさらに体を近づける。
「晴れて良かったね」
七瀬の言葉に、俺は頷いた。
窓から入り込む陽射しは、春の柔らかさを感じさせてゆったりと揺れている。
だけど、実際は、その陽射しの強さは夏にも負けていないのだ。
春の紫外線の量ははんぱなものではなく、七瀬も今日に備え、それなりに日焼けには気を付けていた。
ウェディングドレスが白い肌に綺麗に映えるようにと言って笑っていた。
そう、春の陽射しは見た目の優しさとは裏腹に、かなりの鋭さと強い力で肌を射抜くのだ。
油断大敵。
俺の七瀬への愛情も、それに似ている。
春の陽射しのような恋心。
のんびり、ゆっくりを装い、七瀬の体の奥に、俺の愛を注ぎ込む。
それはもう、長い時間をかけて、気づかれないように、じっくりと。
そして、結婚という後ろ盾をもらい、思う存分七瀬を愛していく。
春の陽射しから、夏の照り返すように強い熱へと、愛の形を変えながら。
「……部屋から見える桜も、そろそろ満開だね」
七瀬のつぶやきに、俺は何度か頷いた。
七瀬の部屋から見える川沿いの桜は、今年もきっと、きれいに咲き誇るはずだ。
それはずっと変わらない季節の流れであり、俺たちの思い出が増えていくということ。
春の陽射しのような恋心から、毎年変わらず美しさを見せる桜のように変わることのない愛情へと、進化しながら。
俺達は、生涯ずっと、ともに寄り添い幸せに暮らしていく。
完


