強引なカレの甘い束縛


「おいしいでしょ? バナナよりも桃缶の味が目立っていてあっさりしているし。おかわりもらってこようか?」

「いや、いい。たしかにあっさりしてるけど、やっぱり甘い」

陽太は口直しに、とでもいうようにビールを飲んだ。

ミックスジュースが甘いのは初めからわかっているはずなのに、一体どうして飲み干したんだろう。

「単なる嫉妬。ほかの男が作った飲み物をおいしそうに飲んでるのを見てむかついただけ」

「え?」

私の疑問を表情から読み取ったのか、あっさりとそう言った陽太に驚いた。

酔ったのかなという私の気持ちも見透かしたようで。

「あ、俺はまだ酔ってないから。これが一本目のビール」

陽太は手にしている缶ビールを目の前にかざして揺らすと、ふたりの椅子の距離を詰めた。もともと近くに座っていたのに、膝が触れ合うほどの距離感に体が熱くなる。

陽太はそれをなんとも思っていないのか、テーブルの大皿のお肉に気づくと。

「肉とたまねぎ」

そう言った。

私にそれを取って欲しいらしい。

ふたりでいるときにはいつもこうして甘えてくる。

仕事中のきりりとした雰囲気を消したギャップに頬が緩む。




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