強引なカレの甘い束縛
「ミックスジュースの口直し。早く食べろよ。嫉妬してるって言っただろ?」
「あ、あのねー」
「四の五の言わずに食べろ。もう、俺は我慢しないって決めてるんだからな。七瀬の気持ちを優先して待つなんて五年が限度だ。そうでなきゃ、車検だなんて嘘ついてまでここに連れてくるかよ」
「え、やっぱり車検は嘘だったの?」
やっぱり。
多少、疑っていたけれど、車検で車が出せないなんて嘘だったんだ。
大原部長の家に行くには車がないと不便だと言って私に出動を強いたのは、嘘だったんだな。
「さっき、明日は俺の車を出すなんて言うから、あれ? って思ったんだけど、それって鋭かった……ん、よ、陽太何する……っ」
早口で話している私の口に、陽太が手にしていたお肉が押し込まれた。
あまりにもあっという間のことに、むせそうになる。
「いいから早く食べろ。なーにがミックスジュースだ。俺だってそれくらい作れるさ。
ふん、俺の前で他の男のことを誉めるなよ」
「よ、陽太、突然お肉を口に突っ込むのやめてよ。もう……」
とりあえずお肉を食べて、テーブルに置かれているお茶をグラスに注いで飲んだ。
「のどに詰まったらどうするのよ。それに、他の男のことって言ったって砂川さんの弟さんでしょ? おまけに嫉妬なんて何回も口に出すけど」
はっきりとした言葉なんて、ちゃんと言ってくれたことなかったのに。
そう口にしたいと思う気持ちと、それを言ってしまうと自分で自分を追いつめてしまうのではないかという不安がせめぎあい、思わず口を閉ざした。