強引なカレの甘い束縛



正義感と責任感のかたまり。

とはいっても柔軟な姿勢で仕事に向き合う横顔は男前。

女性なら、というよりも、周囲にいれば誰だって、陽太のことを好きになる。

私も例にもれずあっという間に好きになってしまったけれど。

同期でよかったと、同じ部署でよかったと、そして、陽太が友達として側に置いてくれる私であってよかったと、何度も感謝した。

都合が合えばふたりで食事に行くこともあるし、休日には車で遠出をすることも多い。

気の合う親友だからと深く考えることもなく、一緒にいてもいいのだと自分に言い聞かせ、陽太を好きだという気持ちは、ほんの少しも見せなかった。

だからといって、陽太が気づいていなかったのかどうかはわからない。

人の真意は意外に顔に表れるものだから。

「嫉妬の意味、もうわかってるだろ? それに、七瀬をここに連れてきた俺の気持ちだって、理解しただろ?」

近い距離を保ったまま、陽太の小さくも力強い声が聞こえた。

その瞳はただ私を見据えていて、自分の言葉を疑うなんてこと、まるでないような落ち着きも浮かんでいる。

そんな陽太の気持ちに応えられない自分に胸が痛む。







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