強引なカレの甘い束縛


「あの、嫉妬の意味はわかるような気がするけど。ここに連れてこられた意味はわからない。四月一日付の人事異動についていろいろ聞くってことじゃないの?」

「は? え? 七瀬って五年間同じ部署で働いているのに、大原部長の家でのバーベキューの意味を知らないのか?」

「そんな呆れた声で言わないでよ。おっしゃる通り、五年間ずっと同じ部署で働いているけど、今日ここにきた意味なんてまったくわかりません。それが何か?」

大原部長の家で開かれるバーベキューに誘われたことなんて一度もなかったし、そのことに疑問を持ったことも参加したいと思ったこともない。

本社地区限定採用の私には異動なんて縁遠いものだから当然だろう。

大原部長が人事異動の内示をつぶやくという大前提。

つぶやきを事前に聞き、仕事への影響や組織改編への準備を円滑に進めるきっかけを作るともいえるバーベキュー。

そのことは知っているけれど、それ以外にも何か意味があるのだろうか。

何も思いつかない私に苦笑した陽太は、バーベキューコンロの周りでビールを飲んだりお肉を焼いたりしている人たちに視線を向けた。

私もつられてその視線をたどる。




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