強引なカレの甘い束縛
とくに山内さんと親しいわけではないとはいえ、五年間同じ部署にいたというのに何も知らなかった。
それも、相手は入社二年目のお姫様。
本当に驚いた。
経理部の小野さんとは仕事でのつながりがあるから言葉を交わす機会が多いというのに、何も気づかなかった。
「私って、鈍すぎる?」
「今頃気づいたか?」
私の顔を覗き込む陽太を軽く睨んで、そのまま視線を山内さんたちに向けた。
長いつきあいだというだけあってふたりが並んでいる様子は穏やかで温かい。
私同様、驚く社内のメンバーにも静かに挨拶を繰り返す横顔は幸せそうだ。
本当、社内の恋愛ごとに疎いとはいえ、びっくりだ。
そのまま辺りを見回すと、山内さん以外の男性もみな女性同伴だ。
「もしかして、男女ペアじゃなければこのバーベキューには参加できないとか」
「え?」
「だって。みんなカップルなんでしょ? 恋人とか奥様とか連れてきてるし。大原部長が薫さんと仲がいいから……ってことはないよね。ははっ」