強引なカレの甘い束縛
今まで桜の花を見ていたのに。
「人目を気にせず穂香さんの側から離れないし、穂香さんを見つめる瞳は甘すぎて見ていられないし」
陽太はそう言って、私の顔を覗き込んだ。
今日一日何度も向けられた、柔らかい表情と温かな声。
忍さんが姉さんを見つめる瞳に似ていて、どきりとする。
そして、その瞳の意味を自分のいいように誤解しそうで慌てた。
絡み合う視線をどうにか逸らし、俯く。
「ん? もしかして、照れてる?」
更に距離を詰めて私を見つめる陽太の足元を見ながら、私も一歩、横にずれる。
そして、陽太もそれを追う。
というより、私が離れた距離よりも陽太の動きの方が大きくて、必然的に近づいている。
「よ、陽太、どうしたの?」
「どうもしない。ただ、七瀬がなんだか素直だから、調子に乗ってるんだ」
「それって、どういうこと……?」
俯く私の顔を覗き込み、陽太は両手で私の頬を挟んだ。
ふわり優しく包み込むような手が、ゆっくりと私の顔を上げた。