強引なカレの甘い束縛
私にはできそうもないことを、どうして言うんだろう。
「この部屋が私の心の平安を保つ砦だって、知っているよね?」
どうにか陽太を見つめ、首を傾げた。
「知ってるも何も。その砦が俺にとっての大きな壁だったから」
「壁?」
「壁っていうよりも、山? 登っても登っても頂上にたどり着けないバカでかい山」
「って言われてもピンとこないし、降りて来いって言われて、はいはいってできない」
陽太が眉を寄せて小さく息を吐いた。
「だよな。俺がこの五年間、七瀬が降りてこられるようにひそかに道を作っていたのにも気づかなかっただろ」
「気づくどころか、陽太がそんなことを思ってることすらわからなかったし。第一、私のことを好きだって突然言われただけでも混乱して……あ、でもそれは嬉しいんだけど信じられないし、だからといって陽太の言葉がまるっきり嘘だとも思えないし。
とにかく私は今どうしていいのかわからない。あ、そうだ。大原部長のバーベキューで……」