ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
平川のアパート前で、タクシーを降り、
彼女の部屋へ向かう。


表札はない…いや、元からないかもしれない

インターホンを押してみる…音がしない


玄関脇の電気とガスのメーターが止めてある


「嘘だろ?…おい…」


家人のいない扉に背を預け、呆然と立ち尽くす。



驚いた顔、恥ずかしそうな顔、真剣な顔、怒った顔、、、最後に溢れんばかりの笑顔の彼女が浮かんでは消える。


自分の想いを伝えることも叶わないのか?


目を閉じる。


ポタ…

ポタ…

頬を伝った涙が、アパートの床の色を変える


俺は泣いているのか


ふっ…

女の事で泣くなんて、初めてだ…

一人で苦笑いだ。











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