ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
*タカside*

琴子が会社に来なくなった。

俺のそばにいて欲しいと、心から願ったのにその願いは叶わない。

ずっと昔から知っている存在だからなのか彼女の前なら、俺の心は穏やかだ。

家族のような存在…

それ以上でも、それ以下でもない。


「分かっていたよ。琴子はアイツのことが好きなんだ」

いつか、中庭のテラスで見た、愛おしそうに琴子を見る矢神の顔が浮かんだ。

兄として?かな…きみの幸せを願うよ。





それにしても、どこへ行ったんだ?

会社を辞めるだけでなく、この街からもいなくなってしまった。

12年前に、きみたち母子がいなくなった時も全然見つからなかったと聞く。

母子ともに、かくれんぼが上手いな…



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