ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
彼女は、矢神に何も告げずに消えたらしく、久しぶりに見かけた矢神は、明らかに憔悴しきっていた。

いつも自信に満ち溢れた男の面影はない。

エレベーターに乗り込み、行き先階のボタンも押さず、ボーッとしてる矢神を見た時は、


「おい…大丈夫か?」

思わず声をかけていた。


「あ…はい。あまり…」


なんだ…それ。言ってることが滅茶苦茶じゃないか。


琴子…どこにいるんだ?

矢神が、きみの好きな男が壊れてるぞ…




< 191 / 378 >

この作品をシェア

pagetop