ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
何も考えられない…

東京へ帰らなくてはと、頭では分かってる。

でも、部屋へ帰れば、そこには拓海の残骸がたくさんあって、今それらを直視する勇気がない。

このまま、ここに残れば、また拓海と女の子に会ってしまいそうで嫌だ。


どうしよう…


仕事なら…仕事でピンチに直面した時は、次に何をすべきか、瞬時にひらめき行動することが出来る。


分からない。

視界がゆがむ。


私は、こんなにも弱かったのか…


カツ…カツ…


重たい足取りで、歩き続ける。



「おい…どこまで行くんだ?」


ふいに、後ろから話しかけられ、ギクリとする。

よく知った声…


「藤枝さん?どうして…新幹線に乗ったんじゃ…」


振り向くと、宮澤部長たちと、駅へ向かったはずの藤枝さんが立っていた。













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