ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
彼女の後ろ姿を追いながら、さっきの事を考える。

あの若い男は、何者なんだ?彼氏なのか?


イラッ


あの河田さんが、こんなになる程、いったい何を言ったんだ?


イラッ


おい、どこまで行くんだよ。襲われたいのか?


イラッ


『おい…どこまで行くんだ?』

一向に立ち止まる気配のない彼女に話しかけた。


『まさか、迷子なのか?』

わざととぼけた事を言ったんだ。きみに笑ってほしくて…

振り返った彼女は、壊れそうで危うい。


もう時間も遅い。今から新幹線に乗ったとしても、到着はかなり遅いし、何よりも、こんな壊れそうな彼女を一人で帰すことが心配だった。







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