ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「うっ…ひっく……ううっ……」
一人残された部屋で、私は泣き続けた。
その日、拓海は戻って来なかった。
「引っ越そう」
ここへは、トリニティに入社して少しした頃に見つけて以来、住んでいる。
日当たりも良いし、間取りも気に入ってるけど、拓海の気配で溢れたこの部屋に、住み続けるなんて無理だ。
・・・・・
翌日は、帰宅した時に拓海がいたら、どんな顔をしようかと、そればかり考えながら帰宅したけど、拓海はいなかった。
帰って来た形跡もない。
連絡もない。