秘密の片思い 番外編④
「郁――!」
その時、郁斗はくるっと振り向き、ボールを左にけり、足元にいる碧生をかわした。
ふたりがぶつからずに済んで、私はホッと肩を撫で下ろした。
郁斗にかわされた碧生はケタケタと笑い声を上げると、止めたボールに抱きつく。
「……よかった……碧がケガするんじゃないかと思ったら……」
脚の力が抜けてその場にペタンと座り込んでしまった。
「俺を誰だと思ってるんだよ」
郁斗はボールで遊ぶ碧生をちらりと見てから、私に近づきしゃがむ。
「お前、顔面蒼白。大丈夫か?」
頬にかかる髪を郁斗は優しく払ってくれる。
「う、うん……ごめんなさい……」
「もう済んだことだ。もう帰るか? それとも休んでる? 俺が碧見てるから」
「ごめん。少しだけ休ませて……」
まだ手と足が震えていて、身体に力が入らない。
郁斗は私を立ちあがらせて、シートまで支えてくれようとしたけれど、ボールで遊んでいる碧生が気になって自分で戻ると言った。
「わかった。碧と遊んでいるから落ち着いたら帰ろうな」
郁斗は私の肩から手を離すと、碧生の元へ向かった。
私はまだドキドキ暴れている心臓を落ち着かせるようにゆっくりシートまで歩いた。
シートの上で膝を抱え、少し離れたところにいる郁斗と碧生を眺めていた。
私ったら何やってるの? 碧生がケガをしたかもしれないのに……。郁斗の運動神経がよくなかったら大変だった……。
深く反省しながら、ふたりをぼんやり見つめていた。
その時、郁斗はくるっと振り向き、ボールを左にけり、足元にいる碧生をかわした。
ふたりがぶつからずに済んで、私はホッと肩を撫で下ろした。
郁斗にかわされた碧生はケタケタと笑い声を上げると、止めたボールに抱きつく。
「……よかった……碧がケガするんじゃないかと思ったら……」
脚の力が抜けてその場にペタンと座り込んでしまった。
「俺を誰だと思ってるんだよ」
郁斗はボールで遊ぶ碧生をちらりと見てから、私に近づきしゃがむ。
「お前、顔面蒼白。大丈夫か?」
頬にかかる髪を郁斗は優しく払ってくれる。
「う、うん……ごめんなさい……」
「もう済んだことだ。もう帰るか? それとも休んでる? 俺が碧見てるから」
「ごめん。少しだけ休ませて……」
まだ手と足が震えていて、身体に力が入らない。
郁斗は私を立ちあがらせて、シートまで支えてくれようとしたけれど、ボールで遊んでいる碧生が気になって自分で戻ると言った。
「わかった。碧と遊んでいるから落ち着いたら帰ろうな」
郁斗は私の肩から手を離すと、碧生の元へ向かった。
私はまだドキドキ暴れている心臓を落ち着かせるようにゆっくりシートまで歩いた。
シートの上で膝を抱え、少し離れたところにいる郁斗と碧生を眺めていた。
私ったら何やってるの? 碧生がケガをしたかもしれないのに……。郁斗の運動神経がよくなかったら大変だった……。
深く反省しながら、ふたりをぼんやり見つめていた。