君を選んだから
初めて陽奈さんに会った日のことは、今でもハッキリ覚えている。
花に囲まれて微笑む何気ない仕草に、強烈なインパクトを受けたからだと思う。
バイトの初日、慣れない制服に身を包み、オープン前にちょっと緊張しながらテラス席のテーブルを拭きに行くと、一番端の席で、小さな花瓶を沢山並べている女の人がいた。
暖かな陽だまりの中で、彼女は楽しそうに花を生けていた。
真っ白な肌と陽に透けて茶色く見える長い髪がキレイで、まるで花に話しかけるみたいに微笑む彼女に、俺は一目惚れした。
彼女が生けていたのは、各テーブルのセンターに飾る花瓶。
フラワーアレンジメントを勉強していた彼女が、店長に提案して始めたことらしい。
テーブルの中央に一つずつ置かれた小さな丸いフォルムの花瓶は、彼女のイメージそのもの。
決して派手ではないけど、パっと人の目を引き、見る人の心を和ませ、明るくしてくれた。
彼女の選ぶ花はいつも決して華美じゃなく、親しみのある優しいイメージの花ばかりだった。
かすみ草がドーム状になっていたり、ガーベラやチューリップが三輪ずつくらいだったり、どれも誰もが知っている花だから、目にした途端、不思議とみんな心を開く。
カフェに来るお客さんは、基本、休んだり、のんびりしたい人だから、彼女のそんな気配りは、ゆったりした店の雰囲気にとてもハマっていた。
オーダーを運ぶ度に見える小さな花瓶に彼女のイメージを重ね、俺自身も癒されていた。
花に囲まれて微笑む何気ない仕草に、強烈なインパクトを受けたからだと思う。
バイトの初日、慣れない制服に身を包み、オープン前にちょっと緊張しながらテラス席のテーブルを拭きに行くと、一番端の席で、小さな花瓶を沢山並べている女の人がいた。
暖かな陽だまりの中で、彼女は楽しそうに花を生けていた。
真っ白な肌と陽に透けて茶色く見える長い髪がキレイで、まるで花に話しかけるみたいに微笑む彼女に、俺は一目惚れした。
彼女が生けていたのは、各テーブルのセンターに飾る花瓶。
フラワーアレンジメントを勉強していた彼女が、店長に提案して始めたことらしい。
テーブルの中央に一つずつ置かれた小さな丸いフォルムの花瓶は、彼女のイメージそのもの。
決して派手ではないけど、パっと人の目を引き、見る人の心を和ませ、明るくしてくれた。
彼女の選ぶ花はいつも決して華美じゃなく、親しみのある優しいイメージの花ばかりだった。
かすみ草がドーム状になっていたり、ガーベラやチューリップが三輪ずつくらいだったり、どれも誰もが知っている花だから、目にした途端、不思議とみんな心を開く。
カフェに来るお客さんは、基本、休んだり、のんびりしたい人だから、彼女のそんな気配りは、ゆったりした店の雰囲気にとてもハマっていた。
オーダーを運ぶ度に見える小さな花瓶に彼女のイメージを重ね、俺自身も癒されていた。