君を選んだから
だけど、ある日、そんな俺にとても残念な情報が入って来た。
どうやら彼女には、好きな人がいるらしい。
正直に言うと、気持ちを伝えられなくとも、それまで俺なりに、細かく「好き」アピールをして来たつもりでいた。
できる限り彼女とシフトを合わせたり、何かしらの作業をする時は必ず隣に行ったり、たまに年上が好きだって言ってみたり、わざと甘えてお願いごとをしてみたり..........
だけど、何の反応も示してもらえていなかっただけに、軽くショックを受けた。
それでも、まだ俺は完全には諦めていなかった。
好きな人がいるだけでまだ付き合っている訳じゃないようだし、こんなことを言うのはヒドいかもしれないけど、もし付き合ってても、付き合い始めのカップルなんて一ヶ月後にどうなるかわからないじゃないか。
僅かに残った望みにすべてを掛けるべく、彼女と一緒に休憩を取った時、ドキドキしながらその辺に探りを入れてみた。
「ちなみに、陽奈さんって、どういう感じの人が好きなんですか?」
「う〜ん。今、好きな人はね、すごくあったかい人。」
「あったかい人?」
「不器用だし、口下手で、多分、ロマンチックなこととかは言えないタイプなんだけど、なんて言えばいいのかな? すごく心が綺麗で、優しいのがフワ〜ンって滲み出てるみたいな? とにかくこの人のそばにいたら、幸せでいられるだろうなって思う人。」
どうやら彼女には、好きな人がいるらしい。
正直に言うと、気持ちを伝えられなくとも、それまで俺なりに、細かく「好き」アピールをして来たつもりでいた。
できる限り彼女とシフトを合わせたり、何かしらの作業をする時は必ず隣に行ったり、たまに年上が好きだって言ってみたり、わざと甘えてお願いごとをしてみたり..........
だけど、何の反応も示してもらえていなかっただけに、軽くショックを受けた。
それでも、まだ俺は完全には諦めていなかった。
好きな人がいるだけでまだ付き合っている訳じゃないようだし、こんなことを言うのはヒドいかもしれないけど、もし付き合ってても、付き合い始めのカップルなんて一ヶ月後にどうなるかわからないじゃないか。
僅かに残った望みにすべてを掛けるべく、彼女と一緒に休憩を取った時、ドキドキしながらその辺に探りを入れてみた。
「ちなみに、陽奈さんって、どういう感じの人が好きなんですか?」
「う〜ん。今、好きな人はね、すごくあったかい人。」
「あったかい人?」
「不器用だし、口下手で、多分、ロマンチックなこととかは言えないタイプなんだけど、なんて言えばいいのかな? すごく心が綺麗で、優しいのがフワ〜ンって滲み出てるみたいな? とにかくこの人のそばにいたら、幸せでいられるだろうなって思う人。」