君を選んだから
ってことは、それは事実なんだ。

疑ってた訳じゃないけど、再確認してホッとしちゃった。


今日一日、ここで過ごしたら、こういう細かい情報もたくさん仕入れられそう。

これは須賀くんに自然に近付くまたとないチャンスなのかも。


そう言えば、さっきもドキッとしちゃった。

「あおい」なんて呼ばれたの、初めてだもん。

いつもは「お前」か「葉山」だから、ちょっぴりくすぐったいような気もするけど、すっごい嬉しい。

バレないよう気遣わなくちゃならないのは大変だけど、彼女役もだんだん楽しくなって来た。


須賀くんに連れられ、家の中に入ると、リビングにはシャレた家具がゆったりと配置されていた。

対面式のアイランドキッチンも、食器がズラッと並んだ大きな棚もみんな素敵。

まるでファッション雑誌のインテリア特集ページを見ているみたい。


そう言えば、お母さんは美容系のお仕事してるって言ってたっけ?

ご自身もすごくキレイだけど、いろんな面において美意識が高そうだし、センスも良さそう。


大丈夫かな?

私、話に付いて行けるかな.......


って、しっかりして!!

圧倒されてる場合じゃないから。

彼女の「フリ」するのも、今日一日だけ。

出来るかぎりは頑張らないと。

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