エリートな彼と極上オフィス
返事が来ない。

既読になっていないけど、そんなの読んでいない証拠にもならない。

携帯が短く震えた。



【そうだけど何か】



あああ。

先輩も一瞬でペースを狂わせたのが伝わってくる。

ごめんなさい、変な気を遣わせました。

意味なく意味深なこと訊きました。



【ふふふ】

【気持ち悪い】

【勝つといいですね】

【どっちが?】

【先輩の応援してるほうが】

【どっちか知ってんのか】

【期待されてないほうでしょ】



先輩は優しいから、旗色のよくないほうに肩入れする、判官びいきなところがある。

図星だったらしく、続く返信は三点リーダだけだった。



【怖くない怖くない】

【お前、飲みすぎ、もう寝ろ】

【はい、おやすみなさい】

【おやすみ】



これ以上気を遣わせないよう、そこで終わらせた。

深いため息が漏れた。



「ダメだ、私…」

「どうしたの」



こんなこと続けてたら、先輩を疲れさせてしまう。

もっと自制しなきゃダメだ。



「厄介そうね、その先輩」

「厄介なんかじゃないですよ、優しいだけで」

「それが厄介というのよ、ねえそんなにかっこいいの?」

「盗撮写真を見ますか」


< 27 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop