エリートな彼と極上オフィス
驚きのあまりか、かなり品性に欠ける物言いになった千明さんを、しかめ面で先輩がにらむ。
「だってどうやって断んの?」
「どうやってって」
「いい断り方あれば教えてくんない? 俺も正直、今じゃねえなって時、あるんだよ」
「断れないからやってんの、お前」
「そういう言い方されると」
先輩は私たちの引き具合をなんとなく感じるのか、居心地悪そうに身じろぎした。
千明さんが呆れ声を出す。
「お前、あれか、女友達に流されるままそういう関係になった結果、友達にも戻れなくなって殴られるタイプか」
「ほんとそれ」
理解者を見つけたとでも言いたげに、ほっとした顔で先輩がうなずく。
けど、すぐに冷ややかな二組の視線に気づいたらしく、あれ、と遠慮がちに我々を見た。
「やっぱ俺がダメなの」
「いや、話だけ聞いてると、お前のほうが被害者みたいに思えてくるから不思議だよ」
「そんなふうには思ってないけど」
もしかして私、あれだけきっぱりごめんと言われたことを、かえって喜んでいいのだろうか。
ある意味、特別扱いなのかもしれない、先輩なりの。
「でも俺、女の子のいる店とかも、行かないぜ」
「知ってる、営業部時代にお前がソープから脱走したって話、有名」
「だって無理やり連れてかれてさ、俺ほんと、ああいうのダメなんだよ、もう雰囲気だけで無理」
「まあそこは評価してやってもいいのかもしれないが、それとこれとは別の話な」
マジかよ、とすねたように先輩が頬杖に顔を埋める。
どの部分に関して我々が引いているのか、本当に理解できていないらしい。
いかん。
この人、思っていた以上に厄介かも。
「だってどうやって断んの?」
「どうやってって」
「いい断り方あれば教えてくんない? 俺も正直、今じゃねえなって時、あるんだよ」
「断れないからやってんの、お前」
「そういう言い方されると」
先輩は私たちの引き具合をなんとなく感じるのか、居心地悪そうに身じろぎした。
千明さんが呆れ声を出す。
「お前、あれか、女友達に流されるままそういう関係になった結果、友達にも戻れなくなって殴られるタイプか」
「ほんとそれ」
理解者を見つけたとでも言いたげに、ほっとした顔で先輩がうなずく。
けど、すぐに冷ややかな二組の視線に気づいたらしく、あれ、と遠慮がちに我々を見た。
「やっぱ俺がダメなの」
「いや、話だけ聞いてると、お前のほうが被害者みたいに思えてくるから不思議だよ」
「そんなふうには思ってないけど」
もしかして私、あれだけきっぱりごめんと言われたことを、かえって喜んでいいのだろうか。
ある意味、特別扱いなのかもしれない、先輩なりの。
「でも俺、女の子のいる店とかも、行かないぜ」
「知ってる、営業部時代にお前がソープから脱走したって話、有名」
「だって無理やり連れてかれてさ、俺ほんと、ああいうのダメなんだよ、もう雰囲気だけで無理」
「まあそこは評価してやってもいいのかもしれないが、それとこれとは別の話な」
マジかよ、とすねたように先輩が頬杖に顔を埋める。
どの部分に関して我々が引いているのか、本当に理解できていないらしい。
いかん。
この人、思っていた以上に厄介かも。