エリートな彼と極上オフィス
その夜、私は自宅で報告書と格闘していた。
記憶の鮮度が高いうちに全員に展開したい。
何より非常に有益な内容であったので、少しでも早くみんなと共有したい。
幸いなことに、主催者側からプレゼン資料のデータをもらうことができた。
資料自体がかなりわかりやすかったので、報告書は、これらを順序だてて並べ替え、間を繋ぐ文章を入れる形でまとめることにした。
マップをつくり、もらった資料をその各ポイントに配置するイメージだ。
そういうまとめ方をするのに最適なソフトはどれかなあ、とか考えているうちに時間はどんどん過ぎる。
ようやく完成の目処が立った頃には、真夜中を越えていた。
ほっとして、一息つこうと机を離れかけた時、背後のベッドの枕元で携帯が点滅しているのを見つけた。
集中しすぎて気づかなかった。
【あのさ】
先輩から、それだけ入っていた。
もう数時間前だ。
作業もはかどって心が軽くなっていた私は深く考えず、なんでしょう、と返した。
すぐに返事が来た。
【ここんとこ、お前がなんか変なのって、俺のせい?】
しまった。
読んでしまった。
すぐに返信しないことで、もう肯定したも同然だ。
何か言わなきゃと思うけど、何も浮かばない。
違います、と今さらごまかしてもしらじらしい。
そうです、と答えたら、その後先輩を悩ませるだろう。
どうしよう、どうしよう、と考えているうち。
何を考えたのか私は、眠ってしまったらしかった。