夢恋・second~その瞳に囚われて~

大切に思われていることに息苦しさを感じる。
私はそんな風に言ってもらえる資格なんてない。

__他の人を心の奥で想いながら、佐伯さんに抱かれようとしたのだから。

どうしたら以前に愛した彼を心から追い出すことができるの?
このまま、彼以外の人を二度と愛することはできないの?

__拓哉。
その笑顔を、その声を、全て忘れてしまいたい。
あなたに愛しさを感じずに、過ごせたならば。
佐伯さんとの未来を、ゆっくりと歩き出すことができるかもしれないのに。

泣いてもすがっても、どんなに願ったとしても、もうあなたに包まれることは二度とはないのに。

初めからいなくなるつもりだったならば、どうして私を愛したの。優しくしてくれたの。
こんなに苦しくて、悲しいならば、あなたに出会いたくはなかった。

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