クールな同期が私だけに見せる顔

「いつもそうなのかな」

「部屋に呼ばないことか?」
横山君が臥せったまま答えてくれる。

「うん、そう」

「それは、聞いたことないぞ。あいつ、人にどう思われるかなんて気にしないよ。
そういえば、前の彼女にも普通に、自分の部屋の鍵渡してたし」

「部屋の鍵渡してたの?」

うそ……

「ああ、多分。先に帰ってろって付き合ってる女の子によく言ってたよ。
その子もあいつの帰りを部屋で待ったたりしてた」

「そうなの?」

打ちのめされたように、頭がくらくらしてきた。


「いや、だからって気持ちがないわけじゃないって?あれ?あるわけじゃないか」
横山君、わけわからなくなってる。

「でも、家にも近づけない女の子より、鍵まで渡してる彼女の方が大事でしょう。普通」
咲良がそう言って酔った横山君を煽る。

「いや、晴夏ちゃん、それは違うって。
省吾と君は真剣に付き合ってるし、その、部屋に入れないことだって、何か考えがあるに決まってる」

「どんな考えがあるのよ。私散々言ってきたのよ。汚くても構わないし、センスないなんて非難しないし。建物が古くても構わないって」もう、泣きそうになってた。

「俺に怒るなって。こういうことは、省吾と話し合わなきゃ解決しない」

「そうしなきゃいけないのは、分かってる」

俊介さんのことを気にする前に、省吾、自分の元カノの事、何とかしてよ。
< 115 / 220 >

この作品をシェア

pagetop