クールな同期が私だけに見せる顔

「ええっ?」
中から伸びてきた長い腕に、無理やり引っ張られて引き込まれた。
「ちょっと、何するのよ!」

Tシャツにショーツ姿のまま、壁にかけられたシャワーヘッドから、全身にお湯をかぶる。
着ていた服ごとずぶぬれだ。

最悪。
省吾は、何しようとしてるんだ?

彼は、私をバスルームに引っ張り込んだままシャワーを浴びせてる。

私は濡れながら、隣でイケメンがシャワーを浴びているのを、恨めしそうに見る。

「ほら、体、洗えよ」
彼が体をずらしたから、お湯をまともにかぶった。

「だから、後で入るって言ってるじゃないの」

というか、どうしてくれるのよ。
濡れたまま部屋になんか戻れない。

このまま、素直に彼が、ここから出て行ってくれるのを見てるしかない。

彼の表情は、ぼやっとしか見えない。

それでも、すぐ目の前にいれば、
細かいところは見えなくても、
いい感じに薄い膜がかかったように見える。

女性用のシャンプーで、髪を洗っている。
彼が気にせず、手を動かして
シャンプーする姿を横で見てる。

彼が服を脱いだところ、
見たことなかった。

もちろん彼が服を脱いだところを、
見たいと思ったこともないし、
想像したこともない。

表向きは。

実は、彼がワイシャツの姿の時、
均整の取れたいい体してるなと思ったことがあるけど。

そう思ったのは、素直にそう見えただけで、
別にいやらしい意味でそう思ったわけじゃない。
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